白血球は、顆粒球、リンパ球、単球…と、大きく3つに分類される。
これを白血球の3分画と云う。
顆粒球はさらに、好中球、好酸球、好塩基球の3つに細かく分類される。
白血球は、この好中球、好酸球、好塩基球、リンパ球、単球の5つの分類で構成されており、
これを白血球の5分画と云う。
【好中球】
細菌などの異物を処理し、生体を外敵から守る働きを担う。
顆粒球の大部分は好中球である(白血球全体の50~70%を占め、顆粒球内では約90~95%を占める)。
好中球には異物の方に向かって進む遊走能と、異物を取込んで処理する貪食能があり、取込まれた異物は顆粒中に含まれる酵素や活性酸素により、消化、殺菌される。
・<好中球増加による疾患>
細菌感染・血管炎、梗塞など組織の炎症や壊死を伴う疾患、尿毒症、
がん・リンパ腫などの腫瘍、急性出血・溶血
【好酸球】
末梢血内の白血球の2%~5%を占める。
顆粒から特殊なタンパクを放出して寄生虫やその虫卵を傷害したり、喘息や薬物アレルギーなどのアレルギー反応を引き起こす。
好酸球も弱い遊走・貪食能力を持つが、主な役割は寄生虫・寄生虫卵の傷害、あるいはアレルギー反応の制御である。
・<好酸球の増加による疾患>
転移がんや慢性骨髄性白血病、ホジキン病などの腫瘍、
結節性動脈炎 、サルコイドーシスなどの肉芽腫
【好塩基球】
末梢血内の白血球の1%以下を占める。
顆粒中にアレルギー反応の原因となるヒスタミン、ロイコトリエン、ヘパリンなどを含んでいるため、好塩基球の表面にある免疫グロブリンEに抗原が結合すると顆粒中からヒスタミンなどが放出されて、即時型のアレルギー反応を引き起こす。
生体の免疫機能に関与していると考えられるが、はっきりとした存在意義は不明である。
・<好塩基球の増加による疾患>
骨髄増殖性疾患、潰瘍性大腸炎
【リンパ球】
抗体を使ってあらゆる異物に対して攻撃するほか、ウイルスなどの小さな異物や腫瘍細胞に対しては、顆粒球ではなくリンパ球が中心となって対応する。
NK細胞、B細胞(Bリンパ球)、T細胞(Tリンパ球)などの種類がある。
体液性免疫、抗体産生に携わるのはB細胞とヘルパーT細胞で、腫瘍細胞やウイルス感染細胞の破壊など細胞性免疫に携わるのはキラーT細胞やNK細胞である。
骨髄で未熟な状態で産出された後、胸腺(Tリンパ)や脾臓(Bリンパ)などで成熟し、さらにはリンパ節に移動し、そこでも増生・成熟が行われるなど複雑な経過を辿る。
血液中のリンパ球は寿命の上からも二種類に分類でき、短命な大型のリンパ球の寿命は数十日で、活性化されたリンパ球と考えられている。これに対して、長命な小型のリンパ球は4~20年も生存すると云われる。
血液中では20%が短命リンパ球で、80%が長命リンパ球。
・<リンパ球の増加による疾患>
急性ウイルス感染症、梅毒や結核などの慢性感染症、リンパ性白血病、リンパ肉腫、
甲状腺機能亢進や副腎皮質機能不全
・<リンパ球の減少による疾患>
放射線照射、末期悪性腫瘍、心不全、尿毒症、
エイズのような免疫不全症候群
【単球】
骨髄で産出され、末梢血の白血球のうち3~6%を占める。
好中球に次いで異物を貪食する作用があり、外敵の侵入を防ぐ。
また、単球は血中から組織内に入りマクロファージとなって組織の異物を処理する細胞としての働きもある。
マクロファージは存在する組織ごとに適応し、異物の呑食、体液性免疫細胞への抗原提示の他に、不要になった体細胞の処理、各種サイトカインの放出など様々な役割を果たす。
感染に対する免疫の開始に重要であり、アメーバの様な運動を行って移動することができ、細菌などの異物を細胞内に取り込み、細胞内酵素を使って消化する。
断片化した異物を、もともと細胞質内に持っていたクラスIIMHC分子と結合させ、細胞表面に提示し、これをヘルパーT細胞が認識する。こうして免疫反応が開始される。
・<単球の増加による疾患>
結核やマラリアなどの感染症、膠原病、
慢性骨髄単球性白血病やホジキン病のような血液疾患